石火(読み)セッカ

デジタル大辞泉 「石火」の意味・読み・例文・類語

せっ‐か〔セキクワ〕【石火】

火打ち石を打って出す火。きわめてわずかの時間、はかないこと、すばやい動作などのたとえに用いる。「電光石火
「兄の事や沙金しゃきんの事を、一度に―のごとく、思い浮かべた」〈芥川偸盗

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精選版 日本国語大辞典 「石火」の意味・読み・例文・類語

せっ‐かセキクヮ【石火】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 火打ち石を打って出す火。また、石や金属などが、はげしく触れ合っておこる火。いしのひ。
    1. [初出の実例]「欲浮生後会、先悲石火向風敲」(出典:菅家文草(900頃)五・和大使交字之作)
    2. 「根本中堂の常燈も、三燈は消にけり。大師手(てづから)(みづから)石火(セキク)を敲き出して、炬し給へる一燈は消へざりけり」(出典:源平盛衰記(14C前)四五)
    3. [その他の文献]〔柳宗元‐韋道安詩〕
  3. ( 火打ち石を打って出す火は瞬間的に発するものであるところから ) きわめて短い時間、はかないこと、非常にすばやい動作などをたとえていう語。石火の機。石火の光。電光石火
    1. [初出の実例]「閃光易飛、衆生誰非石火乎」(出典:菅家文草(900頃)一一・奉太皇大后令旨、奉為太上天皇御周忌修法会願文)
    2. 「石火(セキクヮ)一拶本来面目に逢着せしむるの微意に外ならぬ」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石一九)
    3. [その他の文献]〔新論‐惜時〕

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普及版 字通 「石火」の読み・字形・画数・意味

【石火】せきか(くわ)

燧石(ひうちいし)の光。一瞬の光。唐・白居易〔酒に対す、五首、二〕詩 蝸牛(くわぎう)(かたつむり角上何事をか爭ふ 石火光中、此の身を寄す 富に隨ひに隨うて、且(しばら)く樂せよ 口を開いて笑はざるは、是れ癡人(ちじん)

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