硫酸ニッケル(Ⅱ)(読み)リュウサンニッケル

化学辞典 第2版 「硫酸ニッケル(Ⅱ)」の解説

硫酸ニッケル(Ⅱ)
リュウサンニッケル
nickel(Ⅱ) sulfate

NiSO4(154.76).ニッケルやニッケル(Ⅱ)の酸化物,水酸化物,炭酸塩などに,希硫酸を作用させて室温蒸発濃縮すると七水和物が得られる.七水和物は,緑色の風解性針状晶.天然にはモレノサイトとして産出する.密度1.98 g cm-3.31.5 ℃ で青緑色の正方晶系α形六水和物となり,53.3 ℃ で緑色の単斜晶系β形六水和物となる.さらに加熱すると110 ℃ で二水和物となり,279 ℃ で無水物となる.無水物は黄緑色の潮解性結晶.密度3.68 g cm-3.いずれも水に易溶,エタノールに可溶.ニッケルめっき,水素添加触媒,顔料の製造,パッチテスト試薬,媒染剤などに用いられる.[CAS 7786-81-4:NiSO4][CAS 10101-97-0:NiSO4・6H2O][CAS 10101-98-1:NiSO4・7H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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