硫酸化(読み)りゅうさんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫酸化」の意味・わかりやすい解説

硫酸化
りゅうさんか
sulfation

(1)ひまし油トール油オリーブ油などの不飽和油に濃硫酸を作用させ、ついでアルカリで中和して水に可溶性の油状物質をつくる反応をいう。このときに得られる油状物質を硫酸化油ロート油)といい、水によく溶け、表面活性に優れ、繊維工業染色工業皮革工業農業金属工業などの陰イオン表面活性剤として使われる。

(2)鉛蓄電池の極板の表面が白色硫酸鉛で覆われることをこのようによぶこともある。これは、放電しすぎたり、放電後長時間放置したりするとき、電解液中の硫酸鉛が極板に析出するためにおこるのであって、電池の能力が低下し、さらに進むと使用できなくなる。

[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の硫酸化の言及

【リシノール酸】より

…リシノール酸に濃硫酸,クロロスルホン酸などを低温(約10℃)で作用させるとリシノール酸酸性硫酸エステルCH3(CH2)5CH(OSO3H)CH2CH=CH(CH2)7COOHを生ずる。このような反応を硫酸化sulfationといい,生成物をアンモニアまたはソーダ油で中和したのが硫酸化油(ロート油)である。【内田 安三】。…

※「硫酸化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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