碇を下ろす(読み)いかりをおろす

精選版 日本国語大辞典 「碇を下ろす」の意味・読み・例文・類語

いかり【碇】 を 下(お)ろす

船舶を港などにつなぎ留めるために碇を水中に降ろす。係船する。停泊する。ふながかりする。「いかりおろし」という形で、同音の反復から「いか」を導き出すことばとして用いることもある。
万葉(8C後)一一・二四三六「大船香取の海に慍下(いかりおろし)いかなる人かもの思はざらむ」
太平記(14C後)一八「其の夜は大物の浦に碇(イカリ)を下(ヲロ)して」
② (比喩的に) ある場所にゆっくりと腰を落ちつける。尻(しり)をすえる。居続けする。御輿(みこし)をすえる。
浮世草子・好色盛衰記(1688)二「是に逢(あひ)そめしより、日和の出舟にのらず、口舌に錠(イカリ)をおろして」
※浮世草子・傾城歌三味線(1732)一「此揚屋に碇(イカリ)をおろし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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