磨崖仏・摩崖仏(読み)まがいぶつ

精選版 日本国語大辞典 「磨崖仏・摩崖仏」の意味・読み・例文・類語

まがい‐ぶつ【磨崖仏・摩崖仏】

〘名〙 岩壁に彫刻された仏像凝灰岩・砂岩・石灰岩などの崖に多く刻まれる。朝鮮では新羅時代、中国では北魏から唐代、日本では奈良平安時代に多い。奈良時代のものとしては天平元年(七二九)から宝亀一一年(七八〇)にかけて造建された京都府相楽郡笠置町の笠置山にある彌勒立像、奈良県五條市の小観音像などの線刻のものがある。平安時代にはさらにすぐれたものが多く、特に大分県臼杵市の臼杵磨崖仏群は数十体が刻まれ、美術史的価値も高い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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