磯掃除(読み)いそそうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「磯掃除」の意味・わかりやすい解説

磯掃除
いそそうじ

沿岸の磯に生育するコンブワカメテングサなどの有用藻類を繁茂させるために、それらの生育を妨げるスガモホンダワラ石灰藻などの有害藻類や、フジツボカイメンなどの着生動物を除去することをいう。磯掃除は、有用藻類の生育の助長と、新しい岩面をつくって有用藻類の胞子を着生しやすいようにすることを目的とする二面がある。浅所では磯金(いそがね)(アワビなどをはぎ取る鉄製のへら)、鎌(かま)、ワイヤブラシを用いる。深所では潜水して磯金や鎌を使うほか、船上から大形の鎌を使ったり、鎖(くさり)式掃除器を船で引き回して除藻する。

[小橋二夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の磯掃除の言及

【増殖】より

…(2)岩礁爆破 有用藻類の着生を妨げる雑藻を除去したり,新しい着生面を造り出すために行われる。(3)磯掃除 有用藻類の間に生えている雑藻を除去して有用種の生育を促すことを目的とする場合と,既存の付着生物を取り除いて新しい着生面を造成することを目的とする場合がある。(4)岩面造成 岩面にコンクリートを塗って凹凸をなくしたり,藻類の着生しやすい岩を岩面に固定したりして,イワノリやフノリなどの有用藻類の着生しやすい環境を人工的に造る。…

※「磯掃除」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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