磯等(読み)いそら

改訂新版 世界大百科事典 「磯等」の意味・わかりやすい解説

磯等 (いそら)

御神楽(みかぐら)に歌う神楽歌曲名。《磯等前(いそらがさき)》《磯良崎》ともいう。現在は神嘗祭にだけ用いられる。平安末期書写の《鍋島本神楽歌》に貞観年間(859-877)神楽歌に撰定されたとの注記がある。現行の歌詞は,〈本(もと) 磯等が崎に 鯛釣る海人も 鯛釣る 末(すえ) 我妹子(わぎもこ)が為と 鯛釣る海人も 鯛釣る〉。磯等が崎(伊勢)の名は湯立歌(ゆだてうた)にも見え,海底の神安曇磯良(あずみのいそら)と関係があるかといわれる。
御神楽
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の磯等の言及

【御神楽】より

…宮中で行われる新嘗祭,鎮魂祭などには,前記神楽歌一具以外の神楽歌が歌われるので,以下に曲名を記す。(1)神嘗祭用神楽歌 《幣(みてぐら)》(採物),《志都也(しずや)》《磯等(いそら)》(以上小前張)。(2)鎮魂祭用神楽歌 《天地(あめつち)に》《神分(かみわか)も》《清(きゆ)らならば》。…

※「磯等」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android