…また天津罪は共同体の農耕や祭祀に対する犯罪,国津罪は個人的な犯罪や天災というふうに分類する説もあるが,やはり人為と自然とが明確に区別しえず,人々の忌み嫌う事柄をたまたま天と国とに分けて配当したにすぎないと考えるべきであろう。ただこのような事柄が起こった場合,犯した者が明白であればスサノオ神のように共同体から追放されるが,ふつうは共同体の全員から〈祓物(はらえつもの)〉を徴収して神に供え,穢の除去を祈った。そして民間では臨時に行われていたこのような風習がやがて朝廷の祭祀のなかに定着し,6月と12月との毎年2回の大祓となったとみられている。…
※「祓物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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