神宮(読み)ジングウ

デジタル大辞泉 「神宮」の意味・読み・例文・類語

じん‐ぐう【神宮】


神を祭った宮殿
格式の高い神社称号。また、その称号をもった神社。熱田神宮平安神宮明治神宮など。
伊勢神宮のこと。
[類語]神社大社稲荷八幡鎮守本社摂社末社祠堂

かむ‐みや【神宮】

神のおいでになる宮。かんみや。
皇子みこ御門を―によそひまつりて」〈・一九九〉

かん‐みや【神宮】

かむみや

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精選版 日本国語大辞典 「神宮」の意味・読み・例文・類語

じん‐ぐう【神宮】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 神をまつる宮殿。神のみや。神殿。やしろ。しんきゅう。
      1. [初出の実例]「為蒼生遍求景福。故前年馳駅増飾天下神宮」(出典:続日本紀‐天平一三年(741)乙巳)
    2. 特に格式の高い神社の称。熱田神宮・橿原(かしはら)神宮・宇佐神宮香取神宮鹿島神宮・平安神宮など。
  2. [ 2 ] ( 「大神宮」の略称 ) 伊勢神宮をいう。

かん‐みや【神宮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かむみや」と表記 ) 神のおいでになる宮。神霊をまつる御殿
    1. [初出の実例]「即(すなは)ち、神宮(カムミヤ)の門(みかと)を開(ひら)ひて、幸行(いてま)す」(出典:日本書紀(720)崇神八年一二月(北野本訓))

かむ‐みや【神宮】

  1. 〘 名詞 〙かんみや(神宮)

しん‐きゅう【神宮】

  1. 〘 名詞 〙 神をまつる宮殿。神のみや。神殿。じんぐう。〔いろは字(1559)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神宮」の意味・わかりやすい解説

神宮
じんぐう

三重県伊勢(いせ)市に鎮座する皇大神宮(こうたいじんぐう)(内宮(ないくう))・豊受大神宮(とようけだいじんぐう)(外宮(げくう))を中心とする宮の正式名称。神社とは別格とされる。皇祖神・天皇を祀(まつ)る鵜戸(うど)神宮・橿原(かしはら)神宮・平安神宮、また古来特別由緒があり香取(かとり)神宮・鹿島(かしま)神宮などのように神宮号を称する神社があるが、正式に神宮とされるのは伊勢だけで、ほかはすべて神社とされる。

[鎌田純一]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神宮」の意味・わかりやすい解説

神宮
じんぐう

(1) 伊勢の皇大神宮 (内宮) と豊受大神宮 (外宮) の総称。この2正宮のほかに荒祭宮,多賀宮などの別宮 14,摂末社 67,所管社 42,合せて 125社の汎称。祭祀その他の事務を司る神宮司庁があり,職制として大宮司,少宮司,禰宜,権禰宜,宮掌 (くじょう) ,伶人 (れいじん) ,衛士長以下の衛士,技監以下の技師その他,総計 570人。文化施設として徴古館,農業館,神宮文庫がある。 (2) 熱田神宮,橿原神宮,明治神宮などのように,「神宮」の社号をもつ社格の高い神社。

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普及版 字通 「神宮」の読み・字形・画数・意味

【神宮】しんきゆう

字通「神」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の神宮の言及

【伊勢神宮】より

…三重県伊勢市にある皇大神宮(図1)と豊受(とゆけ)大神宮(図2)の総称。前者を内宮(ないくう),後者を外宮(げくう)といい,両宮を併せて伊勢大神宮,大神宮,二所大神宮などとも呼ばれたが,現在では,神宮を正式の名とし,一般に伊勢神宮と呼ばれている。…

【社号】より

…祭神名,鎮座地名,祭場・祭祀の由来等によって名付けられる場合が多い。おのおのの神社は,その由緒によってそれぞれの固有呼称を有するが,長い神社制度史の中で神宮号,宮(ぐう)号,大社号,神社号など幾つかの称号が生じた。大神宮,神宮といえばすなわち伊勢神宮のことであるが,このほか皇室にゆかりの深い社などが神宮号を有する。…

【神社】より

…古い時代には,おそれかしこんでまつられる神々は,人間の住む所から遠く離れた世界に住んでいると考えられていたので,神々をまつるためには,高い山の頂,大きい森の中などで神々を迎える準備をし,そこを〈神奈備(かんなび)〉と呼び,大きい岩石,高い樹木などを神々が寄りつくものと考えて,〈神籬(ひもろぎ)〉〈磐座・磐境(いわくらいわさか)〉などと呼んだ。その後,建築技術が発達するにつれて,人間が住むみや(宮),みあらか(御殿)に擬して神宮,神社を建造するようになったと考えられる。 記紀神話によれば,出雲の国譲りに際し,天照大神は大国主神に対して,日隅宮(ひすみのみや)を建造すべきことを約束し,また瓊瓊杵(ににぎ)尊が日向の高千穂の峯に降臨したとき,これを八衢(やちまた)に迎えた猿田彦神は,地上に降って伊勢の五十鈴河のほとりに退いたが,のちにその地に倭姫命がたどりつき,天照大神の神鏡を鎮祭するに至ったと伝えている。…

【道教】より

…その大きな理由としては,日本には神代の遠い昔から固有の宗教的思想信仰として〈神道〉があり,受け入れる必要がなかった,もしくは受け入れることを拒んだからであるとされる。しかし,この〈神道〉という言葉(概念)は,その教義の中枢をなす〈大神〉(天照大神),〈神宮〉(伊勢神宮),〈斎宮〉や,〈神器〉(三種の神器),さらに〈天皇〉〈上皇〉〈大内〉〈仙洞〉〈紫宸〉〈大極〉などの言葉と同じく,もともとは中国語(漢語)であり,中国古代の宗教思想概念,つまり道教の神学用語であった(初見は《易》の観卦の彖(たん)伝)。
[記紀にみられる影響]
 〈神道〉という中国語を日本古代で初めて用いているのは,720年(養老4),元正天皇の時代に成った《日本書紀》であるが,《書紀》で用いられている〈神道〉の語の意味内容は,中国の後漢の時代の中ごろ,山東琅邪(ろうや)で成立して〈神書〉とよばれていた《太平清領書》(道教の一切経《道蔵》に収載する《太平経》)のなかで多く用いられている〈神道〉の語の用法に近い。…

※「神宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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