神戸勧告(読み)かんべかんこく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神戸勧告」の意味・わかりやすい解説

神戸勧告
かんべかんこく

正式名称は「行政事務配分に関する勧告」という。国,都道府県市町村の間の公共的機能の分担,すなわち行政事務配分の基礎は 1949年のシャウプ勧告にあり,それによると行政事務の配分について,責任明確化,能率性,市町村優先の3原則をあげているが,これに基づいて 50年および 51年に地方行政調査委員会が具体的な勧告を行なった。同委員会 (5人の委員で構成) の議長神戸正雄であったところからこの名がある。この勧告では,(1) 地方公共団体の区域内の事務をできるだけ地方公共団体の事務とすること,(2) 地方公共団体の事務は市町村を優先し,それが著しく非能率,不適当であるときに府県の事務とすることが勧告された。しかしその基本的考え方はその後の地方行財政制度の改革なかで十分に実現されたとはいえない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android