神経炎(読み)しんけいえん

百科事典マイペディア 「神経炎」の意味・わかりやすい解説

神経炎【しんけいえん】

末梢神経が障害され,運動や感覚の異常をきたす病気。一つの神経が冒された場合を単発性神経炎,多くの神経が同時に冒された場合を多発性神経炎といい,ほとんどが後者原因は細菌毒(ハンセン病,梅毒,ジフテリア腸チフス,インフルエンザ,敗血症等),化学中毒(アルコール,鉛,水銀ヒ素等),代謝異常(糖尿病,尿毒症),膠原(こうげん)病,悪性腫瘍,栄養障害(脚気(かっけ),貧血等),外傷などさまざまで,神経の経路に沿って痛み,知覚異常,筋肉麻痺(まひ),知覚鈍麻などもみられる。治療は原因療法のほか,鎮痛薬,ビタミンB1投与,マッサージ,電気療法など。→神経痛
→関連項目神経麻痺知覚異常ビタミン欠乏症

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改訂新版 世界大百科事典 「神経炎」の意味・わかりやすい解説

神経炎 (しんけいえん)
neuritis

狭義には神経の炎症であるが,実際上神経障害の原因は必ずしも明らかでないため,原因にかかわらず末梢神経障害neuropathyと同義に用いられることが多い。神経炎は,(1)単神経炎(単一の末梢神経の障害),(2)多発性単神経炎(2本以上の神経の障害),(3)多発神経炎(左右対称性で四肢末梢優位の症状を呈する,多数の神経のびまん性の障害)に分類される。症状は,障害神経の支配領域の運動障害(運動麻痺,運動失調,筋萎縮),感覚障害(表在・深部感覚低下,異常感覚),自律神経障害(皮膚粗造,発汗障害,潰瘍形成など)が単独あるいは種々の程度に組み合わされて認められる。原因はさまざまであるが,(1)(2)では動脈硬化,膠原(こうげん)病,糖尿病などの血管障害,外傷,圧迫などの局所的要因による。(3)では,感染,中毒,代謝障害,アレルギー,遺伝などさらに多数の原因があるが,原因不明のことも多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神経炎」の意味・わかりやすい解説

神経炎
しんけいえん
neuritis

ニューロパシーともいう。脊髄神経や脳神経の末梢神経における炎症の総称であるが,炎症というより変性であることが多い。運動神経,知覚神経のいずれにも起り,神経の1つだけが侵されたものを単発 (性) 神経炎,多くの神経が同時に侵されたものを多発 (性) 神経炎という。中毒,感染症,栄養障害,外傷,過労などによって起り,神経走路に沿う痛み,知覚障害,運動麻痺がみられる。治療法には,原因療法のほかビタミン B1 投与,電気療法,マッサージなどがある。

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栄養・生化学辞典 「神経炎」の解説

神経炎

 神経の炎症で,末梢神経障害の総称.諸種の原因が知られている.

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世界大百科事典(旧版)内の神経炎の言及

【神経痛】より

…たとえば,いわゆる坐骨神経痛は,腰椎椎間板ヘルニアなどによる神経根圧迫によることが多い。このようにはっきりとした器質的障害が原因の場合には,神経痛ではなく神経炎あるいはニューロパチーと呼ばれるのが普通である。この場合,前述の診断基準をすべて満足することはまれで,痛み以外に感覚異常,筋力低下,筋萎縮,栄養障害などの他覚的所見や病理学的変化が認められる。…

※「神経炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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