神野神社(読み)かんのじんじや

日本歴史地名大系 「神野神社」の解説

神野神社
かんのじんじや

[現在地名]満濃町神野 神野山

満濃池の堤の北に続く丘の上に鎮座し、社頭から池の全景を眺望することができる。旧村社で、満濃池の宮ともよばれている。主祭神は天穂日命・嵯峨天皇・別雷神・罔象女命で、かつて境内社に祀られていた大山祇命・松崎佐敏命・長谷川佐太郎命が合祀されている。「延喜式」神名帳に「神野カムノ神社」とみえる。社宝である寛正二年(一四六一)の金銅製釣灯籠の笠銘正面には「神野神 大同三二月立」「賀茂神 同九月立」とあり、矢原氏系図手控写には神野神は天穂日命、賀茂神は別雷神であると記されている。この通説に対して、賀茂神は京都賀茂御祖かもみおや神社の主祭神で賀茂建角身命で、神野神はその妃である伊加古夜比売命であるという説がある。この説は「山城国風土記逸文」の記事と、国内各地の神野神社の祭神に賀茂建角身命と伊加古夜比売命または両神の間に生れた玉依日女命が多いことから立論されたもので、満濃池畔の神野神社は御村別の一族が創祀した神社であって、大同三年(八〇八)創祀説は再建を誤り伝えたものであるとしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android