福建の土楼(読み)ふっけんのどろう

世界遺産詳解 「福建の土楼」の解説

ふっけんのどろう【福建の土楼】

2008年に登録された中国の世界遺産(文化遺産)。福建省厦門(アモイ)市の西約150kmから200kmの永定県や南靖(なんしん)県の山間部に点在する、上から見ると円形や四角形の巨大な建築物である。客家(ハッカ)と呼ばれる人々の集合住宅であることから、「客家土楼」ともいう。また、円形のものは「円楼」、四角形のものは「方楼」と呼ばれる。外側を土壁で覆った、外から侵入しにくい構造の独特の建築物で、1~2階の外側には大きな窓はなく、また、入り口は通常1つで、外部と厳重に仕切られている。1階は台所厨房)や食堂、2階は食料などの倉庫、3階以上が居室になっている。客家は、華北から移住してきた漢民族一派で、太平天国の指導者である洪秀全、中国国民党の孫文、中国共産党の鄧小平などの人材を輩出してきた。◇英名はFujian Tulou

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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