私拿捕船(読み)しだほせん(英語表記)privateer

翻訳|privateer

旺文社世界史事典 三訂版 「私拿捕船」の解説

私拿捕船
しだほせん
privateer

私掠特許状により船舶襲撃,捕獲することを認められた民間の武装船。私掠船ともいう
16世紀にアメリカ大陸から貴金属を運搬するスペイン船を襲ったイギリスやオランダの船舶が代表的。エリザベス1世時代のホーキンズドレークなどが有名で,国王と分配比率を定めた上で略奪行為を行ったが,イギリスの場合はスペインに対する海軍力の中核を成していた。この海賊行為常習としていたイギリスの私拿捕船は無敵艦隊戦争をはじめ,その制海権獲得に大いに貢献した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「私拿捕船」の解説

私拿捕船(しだほせん)
privateer

私掠船(しりゃくせん)ともいう。政府から免許状をもらって,敵国の船や町への攻撃,略奪を許された民間船舶。イングランドエリザベス1世時代の「海賊」と称されるものは,おおむねこれであり,他の国においても18世紀末に至るまで,正規海軍の補助として盛んに使われた。

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世界大百科事典(旧版)内の私拿捕船の言及

【私掠船】より

…私掠特許状letter of marqueによって,敵国の艦船を襲撃し,拿捕(だほ)する権利を認められた民間の船舶。私拿捕船ともいう。相手方の船舶そのものをはじめ,いっさいの戦利品は,特許を与えた国王と私掠船の船長の間で,あらかじめ定められた比率に従って分配された。…

※「私拿捕船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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