秋吉大理石(読み)あきよしだいりせき

改訂新版 世界大百科事典 「秋吉大理石」の意味・わかりやすい解説

秋吉大理石 (あきよしだいりせき)

山口県美祢(みね)市の旧秋芳(しゆうほう)町秋吉台,および厚東(ことう)川を隔てて向かい合う美祢市台山に産する,古生代石炭紀から二畳紀にかけての石灰岩の石材名。秋吉台は色物や更紗模様(石灰角レキ岩)のものを産するが,国定公園の自然保護の制約もあって,産額はきわめて少ない。台山の石は,花コウ岩類の貫入によって変成を受けた,〈長州霞〉と呼ばれる白色から灰色結晶質石灰岩大理石)が多く,現在では日本最大の大理石産地となっている。純白のものを磨けばきわめて美しいが,白大理石としては結晶が粗く,岩層に天然の割れ目が多くて大材は得がたい。産額も日本最大には違いないが,諸外国とは比すべくもなく,今日,ビル建築に使用されることはほとんどなくなった。この一帯には,小規模な大理石の加工工場が多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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