移り行く(読み)ウツリユク

デジタル大辞泉 「移り行く」の意味・読み・例文・類語

うつり‐ゆ・く【移り行く】

[動カ五(四)]
しだいに変わってゆく。また、時が過ぎ行く。「年ごとに―・く世界情勢」
物の影や光などが、時のたつにつれて動いてゆく。また比喩的に、物事が人の心に次々浮かんでくる。
「秋の夜の露置きまさる草むらに影―・く山の端の月」〈新勅撰・秋下〉
「心に―・くよしなし事を」〈徒然・序〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「移り行く」の意味・読み・例文・類語

うつり‐ゆ・く【移行・映行】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. だんだんと時間がたつ。うつりいゆく。
    1. [初出の実例]「宇都里由久(ウツリユク)時見るごとに心いたく昔の人し思ほゆるかも」(出典万葉集(8C後)二〇・四四八三)
  3. 事物の様子がだんだんと変化する。うつりいゆく。
    1. [初出の実例]「人めすくなき宮のうちのありさまも、さもうつり行世哉」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  4. 事物がある位置から他の位置へだんだんと動く。うつりいゆく。
    1. [初出の実例]「うつりゆく雲にあらしの声すなり散るかまさきのかづらきの山〈藤原雅経〉」(出典:春日社歌合(1204))
  5. ( 映行 ) 物の影や光などが、つぎつぎに他の物の上に現われる。また、比喩的に、物事が人の心につぎつぎと浮かんでくる。うつりいゆく。
    1. [初出の実例]「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば」(出典:徒然草(1331頃)序)

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