移行・映行(読み)うつりゆく

精選版 日本国語大辞典 「移行・映行」の意味・読み・例文・類語

うつり‐ゆ・く【移行・映行】

〘自カ五(四)〙
だんだんと時間がたつ。うつりいゆく。
万葉(8C後)二〇・四四八三「宇都里由久(ウツリユク)時見るごとに心いたく昔の人し思ほゆるかも」
事物の様子がだんだんと変化する。うつりいゆく。
源氏(1001‐14頃)若菜上「人めすくなき宮のうちのありさまも、さもうつり行世哉」
③ 事物がある位置から他の位置へだんだんと動く。うつりいゆく。
※春日社歌合(1204)「うつりゆく雲にあらしの声すなり散るかまさきのかづらきの山〈藤原雅経〉」
④ (映行) 物の影や光などが、つぎつぎに他の物の上に現われる。また、比喩的に、物事が人の心につぎつぎと浮かんでくる。うつりいゆく。
徒然草(1331頃)序「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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