種貸(読み)たねかし

精選版 日本国語大辞典 「種貸」の意味・読み・例文・類語

たね‐かし【種貸】

〘名〙 凶年の際に、翌年作付のため領主農民に、籾(もみ)または金銭かたちで種を貸与すること。江戸時代初期の頃は三~五割の高利で貸付けることが普通であった。
梅津政景日記‐元和六年(1620)三月二四日「新関新郷・新堤、わりなき種かし、人足扶持方なと出し候て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の種貸の言及

【夫食種貸】より

…したがって,農民の生産・生活はきわめて不安定であり,凶作にみまわれると,たちまち夫食や種籾,麦が欠乏し,彼らは領主に対しその貸与をたびたび願い出た。一方,領主も,みずからの経済的基盤である農民の経営を維持する必要から,夫食種貸を行わざるをえず,領主の〈御慈悲〉に基づく〈御救〉すなわち〈御仁政〉という名目でそれを貸与した。18世紀末の《地方凡例録(じかたはんれいろく)》によると,その貸与方法は次のようである。…

※「種貸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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