稲爪神社(読み)いなつめじんじや

日本歴史地名大系 「稲爪神社」の解説

稲爪神社
いなつめじんじや

[現在地名]明石市大蔵本町

江戸時代の大蔵谷おおくらだに村を東西に貫いていた山陽道の北側に鎮座する。旧郷社。祭神は大山祇大神ほか二神。大蔵谷の産土神。縁起によれば七世紀の初頭異国から鉄人が八千人の兵を率いて九州に来攻。伊予国の住人越智益躬は勅命により九州で対陣、のち偽って降伏し彼らを本州に導いた。明石に到着したとき稲妻の中に三島大明神が現れ、益躬を助けて鉄人たちを滅ぼした。益躬は当地に三島大明神を勧請し、稲妻大明神として崇め祀ったという。

当社を「延喜式」神名帳に載る明石郡伊和都比売いわつひめ神社に比定する説がある。式内社と同名の神社は現在見当らず、市内にいわゆる論社が三社ある。当社のほかみさき町の伊弉冊いざなみ神社、材木ざいもく町の岩屋いわや神社である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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