稲生沢川(読み)いのうざわがわ

日本歴史地名大系 「稲生沢川」の解説

稲生沢川
いのうざわがわ

伊豆半島南部を流れ下田港に注ぐ二級河川。長さ一八キロ、流域面積七八平方キロ。婆娑羅ばさら南東斜面に源を発して南東流し、加増野かぞうのから東流してよこ川・なめ川などを合流し、荒増あらぞうで南流してきた稲梓いなずさ川を合流する。箕作みつくり落合おちあいの境辺りで南に向きを変え、落合川・大沢おおさわ川などを合流し下田港に注ぐ。川の名称は江戸時代はそれぞれの村ごとに名前がつけられており、明治期は加増野からの流れを稲生いのう川と称していたという(箕作村外十ヵ村村誌調)。江戸期以来舟運が盛んで、とくに立野たちの村の中之瀬なかのせは上流村々から運ばれた炭・薪・竹・石材などの集積地として栄え、そこから底の平らな船に積替えて下田湊まで運んでいった(稲生沢村沿革誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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