稲葉一鉄(読み)イナバイッテツ

デジタル大辞泉 「稲葉一鉄」の意味・読み・例文・類語

いなば‐いってつ【稲葉一鉄】

[1516~1589]安土桃山時代武将美濃曽根城主。名は良通・長通。一鉄は号。初め斎藤竜興さいとうたつおきに従い、のち織田信長豊臣秀吉に仕えた。

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精選版 日本国語大辞典 「稲葉一鉄」の意味・読み・例文・類語

いなば‐いってつ【稲葉一鉄】

  1. 安土桃山時代の武将。美濃国岐阜県曾根城主。名は良通。号一鉄仙斎。初め守護代斎藤氏に仕え、のち織田信長豊臣秀吉に従う。永正一三~天正一六年(一五一六‐八八

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「稲葉一鉄」の意味・わかりやすい解説

稲葉一鉄
いなばいってつ
(1516―1589)

戦国・安土(あづち)桃山時代の武将。美濃(みの)三人衆の一人。幼名彦六。名を通以(みちもち)、通朝(みちとも)、貞通(さだみち)、長通(ながみち)、良通(よしみち)と改めた。右京亮(うきょうのすけ)、伊予守(いよのかみ)を称し、入道して一鉄。1525年(大永5)近江(おうみ)浅井氏の進攻を迎撃し、父と5人の兄が戦死したあと、還俗(げんぞく)して家を継ぐ。土岐(とき)氏に続き斎藤道三(どうさん)に仕えたが、その子龍興(たつおき)と対立。織田信長の美濃攻略にあたり、三人衆の氏家卜全(うじいえぼくぜん)、安藤守就(もりなり)と謀り、内通した。のち信長に仕え、美濃国(岐阜県)曽禰(そね)(曽根、大垣市内)を居城とし、姉川(あねがわ)の戦い以下に功をたてた。本能寺の変後、急ぎ帰国し、社寺に制札を出したため、羽柴(はしば)(豊臣(とよとみ))秀吉に疑われたという。また茶室で虚堂(きどう)の墨跡に託し無実を述べ信長の疑いを解いたという逸話もある。清水(きよみず)城で没。美濃大野郡長良(ながら)(揖斐(いび)郡揖斐川町)の月桂院に葬られる。

奥野高広


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朝日日本歴史人物事典 「稲葉一鉄」の解説

稲葉一鉄

没年:天正16.11.19(1589.1.5)
生年:永正12(1515)
戦国・安土桃山時代の武将。美濃の国人領主稲葉通則の末子。兄5人の戦死により還俗して家督を継ぐ。幼名を彦六,あるいは六郎,名は通以,通朝,貞通,長通とたびたび変え,最後は良通。出家して一鉄と号した。はじめ土岐頼芸に仕え,次いで斎藤道三・義竜・竜興3代に仕え,氏家卜全,安藤守就と共に西美濃三人衆と呼ばれた。永禄10(1567)年,この3人が織田信長に内通し,斎藤家の滅亡のきっかけを作った。のち,信長に従軍して姉川の戦(1570)をはじめ各地で戦功をあげ,美濃国大野郡の清水城主。信長死後は豊臣秀吉に仕え,小牧長久手の戦(1584)で奮戦している。

(小和田哲男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「稲葉一鉄」の解説

稲葉一鉄 いなば-いってつ

1515-1589* 戦国-織豊時代の武将。
永正(えいしょう)12年生まれ。父稲葉通則(みちのり)と兄5人が戦死したため還俗(げんぞく)して家をつぎ,美濃(みの)(岐阜県)曾根(そね)城主。斎藤道三(どうさん)らにつかえ,安藤守就(もりなり)・氏家卜全(うじいえ-ぼくぜん)とともに美濃三人衆とよばれた。織田信長に内通して信長の美濃攻略をたすけ,本能寺の変後は豊臣秀吉にしたがった。通以(みちもち)から良通へと何度も改名,入道して一鉄と号した。天正(てんしょう)16年11月19日死去。74歳。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稲葉一鉄」の意味・わかりやすい解説

稲葉一鉄
いなばいってつ

[生]永正3(1506)
[没]天正16(1588).11.19.
戦国時代末期の武将。美濃の人。通貞の子。名は良通,一鉄と号した。守護代斎藤氏に仕え,曾根城に拠った。氏家,安藤両氏とともに西美濃三人衆と称され,伊予守を称した。のち織田信長,豊臣秀吉に仕えた。

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世界大百科事典(旧版)内の稲葉一鉄の言及

【美濃三人衆】より

…西濃三人衆ともいう。美濃西部に勢力をもった戦国武将稲葉伊予守良通(一鉄,1515‐88),安藤伊賀守守就(無用,道足,?‐1582),氏家常陸介直元(卜全,?‐1571)をさす。土岐氏,斎藤氏に仕えたと伝えるが,西濃地方に共同の独立的勢力を確立しており,1567年(永禄10)織田信長の岐阜攻略に内応して功を認められ,本領および杭瀬川以西の共同段銭(たんせん)徴収権などを安堵された。【勝俣 鎮夫】…

※「稲葉一鉄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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