穀物メジャー(読み)こくもつメジャー

百科事典マイペディア 「穀物メジャー」の意味・わかりやすい解説

穀物メジャー【こくもつメジャー】

世界の穀物市場を支配するカーギル米国),コンチネンタル・グレイン(米国),ルイ・ドレフュス(仏),ブンゲ(オランダ),アンドレ(スイス)等の多国籍巨大穀物商社。同族企業で株式は非公開,ユダヤ系資本が多く,5社で米国穀物の取引の約3分の2,輸出の80%以上,世界穀物市場の70〜80%を占め,米国の農業政策農産物の国際市場に決定的な影響をもつ。最近は穀物の取引・加工のほか肥料,種子開発,製鉄製塩などにも進出,貿易自由化を迎えた世界戦略を強化している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「穀物メジャー」の意味・わかりやすい解説

穀物メジャー
こくもつメジャー
major grain companies

カーギル社,コンチネンタル社,ブンゲ社,ドレフェス社,アンドレ社などの多国籍穀物商社のこと。種子の開発から穀物取引,販売にいたるまで一貫して市場を独占的に支配し,世界の穀物需給に強い影響力をもっている。 1970年代には農産物貿易で多大な利益を上げ,事業を急速に拡大。 80年代前半の農業不況に伴って一時停滞したが,90年代に入り,穀物相場から収益する企業構造を改め,食肉,油脂,食品加工などを含めた総合食料会社への経営再編を進めている。

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世界大百科事典(旧版)内の穀物メジャーの言及

【メジャー】より

…しかし石油のエネルギーに占める重要性は相対的に後退することが確実視されている現在,メジャーがメジャーとして生き残りうるのは,エクソン社,ロイヤル・ダッチ・シェル社,モービル社の3社程度ではないかともいわれており,状況はかなり厳しいといえよう。【湯浅 俊昭】
[穀物メジャー]
 メジャーという言葉は国際石油会社のことだけでなく,世界の穀物市場を支配している五つの巨大な穀物商社のことをいうこともある。それはアメリカのカーギル社,コンティネンタル・グレーン社,フランスのルイ・ドレフュス社,オランダのブンゲ社,スイスのアンドレ社の5社である。…

※「穀物メジャー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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