空嘯(読み)そらうそぶく

精選版 日本国語大辞典 「空嘯」の意味・読み・例文・類語

そら‐うそぶ・く【空嘯】

〘自カ五(四)〙 (「そらうそふく」とも。古くは「そらうそ」を「ふく」で、のち「うそぶく」とまとまって意識されたものか)
① 何気ないふうをよそおう。そらっとぼけたふりをする。
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「コチワ soravso(ソラウソ)fuite(フイテ) イテ」
※読本・昔話稲妻表紙(1806)三「『〈略〉夢にもしらざる事なり』と、そらうそふきていひければ」
② 空を仰いでうそぶく。得意気でなまいきな態度をとる。
※玉塵抄(1563)三「宋の范鎮えびすがとりまわいてせめたに夜桜にのぼうてそらうそ吹て敵をものともせなったほどに」

そら‐うそ【空嘯】

〘名〙
① 空を仰いでうそぶくこと。偉そうな言動をすること。また、その言動。
※詩学大成抄(1558‐70頃か)二「敵の七え八えとりまわりたを、物のかずともせいで〈略〉そらうそを吹たぞ」
② 何気ないふうをよそおうこと。そしらぬ顔をすること。
※興善寺阿彌陀如来胎内文書‐(年未詳)一二月四日・証空書状「御房の御そらうそも〈略〉いかがとおぼへ候なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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