突付（読み）つきつけ

精選版 日本国語大辞典

つき‐つけ【突付】

〘名〙

① つきつけること。

② 「つきつけうり（突付売）」の略。

※俳諧・新増犬筑波集（1643）油糟「吹もふかれずするもすられず つきつけやたばこ法後のつよくして」

※仮名草子・東海道名所記（1659‐61頃）二「比丘尼の方より、つきつけの切売をいたし侍る事の悲しさよ」

③ 建築などで仕口を作らず、単に木材を突き合わせ、釘を打って接合させること。また、その方法。

つき‐つ・ける【突付】

〘他カ下一〙 つきつ・く 〘他カ下二〙

① 身体にふれんばかりにしてさし出す。目の前にさし出す。さしつける。

※波形本狂言・釣狐（室町末‐近世初）「取に行て持て出て鼻の先へつきつける」

② むりに押しつける。しいてすすめる。

※虎寛本狂言・縄綯（室町末‐近世初）「私へ其子をつき付て」

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の突付の言及

【継手】より

…　日本の木造建築で用いられる伝統的な切組み継ぎはその効用によって，(1)単に長さを増すだけのもの，(2)捩れ（ねじれ）の力に耐えるもの，(3)引張りの力に耐えるもの，(4)引張りと捩れの力に耐えるものに分類される。(1)には突付（つきつけ），段継（だんつぎ），殺継（そぎつぎ），(2)には目違継（めちがいつぎ），貝の口継，(3)には蟻継，鎌継，竿継(竿車知継（さおしやちつぎ）)，千切継（ちぎりつぎ），(4)には追掛大栓継（おつかけだいせんつぎ），金輪継（かなわつぎ），鶍継（いすかつぎ）などがある(図)。段継や殺継は根太（ねだ）や垂木など，貝の口継は塔の心柱に用いられる。…

※「突付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」