立ち煩ふ(読み)タチワズラウ

デジタル大辞泉 「立ち煩ふ」の意味・読み・例文・類語

たち‐わずら・う〔‐わづらふ〕【立ち煩ふ】

[動ハ四]
立ち続けてつらい思いをする。立ちくたびれる。
夜一夜―・ひて帰るとて」〈大和・七六〉
立ち去りがたく思う。
「とかく―・ふなる庭のたたずまひも」〈賢木
車の置き場がなくて困る。
「隙もなう立ち渡りたるに、よそほしう引き続きて―・ふ」〈・葵〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立ち煩ふ」の意味・読み・例文・類語

たち‐わずら・う‥わづらふ【立煩】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙
  2. 立ちつづけて苦しい思いをする。立ちあぐむ。
    1. [初出の実例]「門をささせたまうければ、夜一夜(ひとよ)たちわづらひてかへるとて」(出典大和物語(947‐957頃)七六)
  3. 立ち去りがたく思う。出かけにくく思う。進むのにとまどう。
    1. [初出の実例]「是をみよ一夜はひとめ辛かりきたち煩ひし瓜にやはあらぬ」(出典:義孝集(974頃))
    2. 「なほきこえ慰め給ひて、いささかの御返もあらばなんなどの給ひおきて、たちわづらひ給ふも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
  4. 車などをとめておくのに場所がないなどして困る。
    1. [初出の実例]「隙もなう、たちわたりたるに、よそほしうひき続きて、たちわづらふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android