立馴(読み)たちならす

精選版 日本国語大辞典 「立馴」の意味・読み・例文・類語

たち‐なら・す【立馴】

〘他サ四〙 いつもその場所にきて、そこをなじみとする。立って、そこになれ親しむ。
古今(905‐914)物名・四三九「小倉山峰たちならし鳴く鹿のへにけん秋を知る人ぞなき〈紀貫之〉」
源氏(1001‐14頃)賢木御心にも、などて今までたちならさざりつらむと、過ぎぬる方くやしうおぼさる」
[補注]挙例の「古今‐物名」の例は「たちならす(立平)」の意と解する説もある。

たち‐な・れる【立馴】

〘自ラ下一〙 たちな・る 〘自ラ下二〙
① いつもその場所にいてなじむ。なれ親しむ。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「たちなれてやみにしやどをけふみればふるき心ちのおもほゆるかな」
② (「たち」は接頭語) 経験を積んでなじむ。
更級日記(1059頃)「宮づかへの方にもたちなれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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