竜女成仏(読み)りゅうにょじょうぶつ

百科事典マイペディア 「竜女成仏」の意味・わかりやすい解説

竜女成仏【りゅうにょじょうぶつ】

法華経》の第12品の〈提婆達多品(だいばだったほん)〉に載る説話で,娑竭羅(しゃから)竜王の8歳の娘が,竜身・年少・女性という悪条件にもかかわらず,一瞬にして変成男子(へんじょうなんし)を遂げ,往生したこと。女人往生の根拠とされ,文学美術モティーフとなった。〈提婆達多品〉の載る巻5は悪人往生と女人往生の双方を説くことから,《法華経》のなかでも特に重視され,8巻を1巻ずつ講ずる〈法華八講〉の場でもその折に行道が行われたりした。→悪人往生譚

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android