竜骨(薬)(読み)りゅうこつ

百科事典マイペディア 「竜骨(薬)」の意味・わかりやすい解説

竜骨(薬)【りゅうこつ】

漢方薬の一つ。ゾウなどの大型脊椎動物の化石の骨,角,歯などからなる。古来,中国や日本の本草学で各種神経症状に対する鎮静作用が珍重された。竜骨を含む漢方処方として今日でも用いられるものに柴胡竜骨牡蠣湯(ぼれいとう)があり,のぼせ症,不眠,精神不安,夜驚症めまいなどに用いられる。香港の薬種店でケーニヒスワルトがこの竜骨の中からギガントピテクスの歯を発見したことは著名。また甲骨文字発見(1899年)の端緒となったのも竜骨からであった。今日では,文化財保護の観点から,資源の見直しが検討されている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android