精選版 日本国語大辞典 「笠碁」の意味・読み・例文・類語
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
落語。碁敵(ごがたき)同士が、ののしり合って、けんか別れになる。雨が降り続くある日、相手が懐かしくて、唐傘(からかさ)がないので被(かぶ)り笠をかぶって出かける。相手のほうも呼び入れたいが、てれくさくて行き過ぎるのを見送る。やがて中から声をかけたのがきっかけとなり、上がり込んで夢中で碁を打つうちに碁盤に雨の滴が落ちるので、「いくら拭(ふ)いても後から垂れて……おい、いけねえなぁ、かぶり笠を取んなよ」。この咄(はなし)の原話は露(つゆ)の五郎兵衛著『露がはなし』(1691)所収の「この碁は手みせ禁」で、上方(かみがた)系のものだったが、東京では3代目柳家小さんの演出が傑出し、また2代目三遊亭小円朝の型もある。目の動きなどを見せながら聴かせる特異な話芸である。
[関山和夫]
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