軟甲亜綱フクロエビ上目等脚目Isopodaに属する甲殻類の総称。ヘラムシ,タイノエ,コツブムシ,フナムシなどが含まれる。この類はおもに海産であるが,ミズムシのように淡水生の種類もあり,陸生のワラジムシなどでは湿気の多い陰のところにすんでいる。約4000種。体長1mm~30cmくらい。体は背腹に扁平で,全歩脚はほぼ同一の形をしている。頭部は第1,ときに第2胸節と融合しているが,背甲を形成しない。複眼は柄がなく固定している。2対の触角は外肢の発達が悪い。胸脚のうち,第1対は顎脚となり,他は外肢を欠き,歩脚となっている。腹肢は遊泳に用いられるほか,呼吸器の役も兼ねる。成体の雌では,胸脚基部の内側に覆卵葉ができて,産卵後の卵は育房内で保育され,ここから出た幼生(マンカ幼生manca)は成体に似た形をしているが,最後の胸脚がまだ現れていない。
等脚類はフクロエビ上目中ではもっとも分化の進んだ動物群と考えられる。次の8亜目に分けられている。ウミクワガタ亜目Gnathiidea(成体は自由生活,幼生は海産魚に寄生),ウミナナフシ亜目Anthuroidea(ウミナナフシ),ミズムシ亜目Asellota(ミズムシ,ウミミズムシ),フレアトイクス亜目Phreatoicidea(オーストラリア,ニュージーランド,南アフリカなどの淡水産),ワラジムシ亜目Oniscoidea(フナムシ,ワラジムシ),ヘラムシ亜目Valvifera(ヘラムシ),有扇亜目Flabellifera(コツブムシ,キクイムシ,ウオノエ),ヤドリムシ亜目Epicaridea(甲殻類に寄生,カニヤドリムシ)。
執筆者:蒲生 重男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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