デジタル大辞泉
「筋目」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
すじ‐め すぢ‥【筋目】
〘名〙
※足利本人天
眼目抄(1471‐73)下「玉線を以一すぢめに縫つづけて、ちっとも隔ぬぞ」
※銀の匙(1913‐15)〈
中勘助〉前「裏は
象牙のやうに白く筋目がたってゐる」
② 物事の道理やことわり。
事柄の論理的なつながり。
筋道。
※一子伝(1409)「つやつや心の筋目が不二立候一間」
※或る女(1919)〈
有島武郎〉後「
愛子は普段の無口に似ずかう云ふ事を話す時にはちゃんと筋目が立ってゐた」
③ 物事の前後関係。ある特定の事柄についての
一連の手続き、経過。
大筋。筋道。
※上杉家文書‐明応七年(1498)三月一日・長尾能景書状「以二此筋目一、領中雖二直成敗候一」
※体源抄由来(1965)〈唐木順三〉一「世の中はまことに多事乱雑であった。乱雑にすぎて筋目糸目もわからなかった」
※紀伊野口家文書‐建治三年(1277)三月・弐川氏系図目録「中家之次第、御太子母方筋目、昔者筑紫に罷有」
※信心録(ヒイデスの導師)(1592)四「カノ Herodes Iudea テイワウ ノ sugime(スヂメ) ニ アラザルガ ユエニ」
⑤ 人と人とのつながり。たよりとする
人脈や、仕事上の得意筋など。お出入り先。出入り筋。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)五「
此人の頼もしき事を聞及び、長浪人の身を隠しかね、筋目
(スヂめ)有かたより状を添られ」
⑥ ある事柄や人物が備えている特徴的な構造・内容・性格。
※申楽談儀(1430)能書く様、その一「能書く様。其筋目を能々思ひ分くべし」
⑦ ある事をする場合に、とくに心がけなければならない問題点。眼目。
※禅鳳伝書‐毛端私珍抄(16C前)「すぐすぐとして、らふらふと、花やかに、けたかくなくては見ぐるしきなり、此すぢめ、上々の大事也」
※詞葉新雅(1792)「スヂメガヨイ じゃうず」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報