箕面川(読み)みのおがわ

日本歴史地名大系 「箕面川」の解説

箕面川
みのおがわ

箕面市の北東方、北摂山地中の高山たかやま(現豊能郡豊能町)に発して南流、箕面市に入り箕面山中を蛇行しつつ南西流し、大字箕面の南端部で扇状地形を形成しつつ平坦部に出る。その後も南西流し、市の南西端で南流してきた石澄いしずみ(墨)川を合流、池田市に入り、同市を横切ったのち兵庫県伊丹いたみ市で猪名いな川に流入する。全長一二・四キロ。

上流部にあたる箕面山中では深い渓谷を刻み、春の桜・初夏新緑・秋の紅葉など、折々の変化を楽しませる景勝地を形づくっている。しかし、渓谷の深さは、古くには唐人戻とうじんもどり岩の伝説、すなわち箕面滝を見ようと訪れた唐人がその渓谷の深さに恐れをなし途中で戻ってしまったというほどの難所であった。こうした厳しさは山岳修行者にとっては好所であったようで、流域を中心として箕面山中に多くの修行者が集まった。その信仰と中心行場となったのが箕面滝であった。箕面滝はまた箕面川の水源として下流域住民の信仰を集めたことは竜神伝説からうかがうことができる。なお箕面滝を中心に集まった山岳修行者たちによって草創され発展したのが瀧安ろうあん(箕面寺)であるが、現在、滝の下流二キロほどの箕面川左岸に移っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android