管長(読み)かんちょう

精選版 日本国語大辞典 「管長」の意味・読み・例文・類語

かん‐ちょう クヮンチャウ【管長】

〘名〙 神道仏教で、一宗一派を管理、支配する最高責任者。
教部省第四号‐明治五年(1872)六月九日「自今各宗教導職管長一名を置一宗末派之取締向等別紙之通相達候」

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デジタル大辞泉 「管長」の意味・読み・例文・類語

かん‐ちょう〔クワンチヤウ〕【管長】

神道または仏教で、一宗一派を管理する最高責任者。
[類語]法主

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「管長」の意味・わかりやすい解説

管長
かんちょう

日本の仏教各宗派において、宗門行政を総理する主権者。1872年(明治5)各宗派の本山住職や神官なかから教導職管長を1名置き、その宗派の取締りをさせることが制定された。1951年(昭和26)宗教法人法の制定により、宗派が包括宗教法人となると、管長はその法人の責任役員の推戴(すいたい)、互選によって定められた代表役員となり、責任役員会の決定に基づき宗務を行うことになった。選出方法、任期などは各宗派によって異なる。

[石川力山]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「管長」の意味・わかりやすい解説

管長
かんちょう

仏教各宗派で宗門の行政をとりしきる主権者。明治5 (1872) 年6月に,明治政府が各宗に教導職管長を1名おき,宗派の取締りを行わせたことから始る。

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世界大百科事典(旧版)内の管長の言及

【住職】より

…また,延暦寺は座主(ざす),園城(おんじよう)寺(三井寺)は長吏,東寺は長者,西大寺は長老,本願寺は法主(または門跡),東大寺,興福寺,法隆寺は別当,日蓮宗諸本山は貫主(かんじゆ)(貫首),近世の檀林などの宗学研鑚の寺では能化(のうけ),化主などと,その寺独自の呼称があった。そして,近代ではこれら大寺院は宗派を超えて管長と称すことも多い。前近代には,私寺の住職は先住の意志や檀家評定,官寺系の大寺では天皇綸旨や将軍公帖(こうじよう)で任命されることが多く,また由緒ある寺院では勅許で紫衣(しえ)が住職に許されることもある。…

※「管長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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