箱之森村(読み)はこのもりむら

日本歴史地名大系 「箱之森村」の解説

箱之森村
はこのもりむら

[現在地名]栃木市箱森町はこのもりまち柳橋町やなぎばしちよう薗部町そのべちよう一丁目・小平町こひらちよう錦町にしきちよう大町だいちよう

嘉右衛門かえもん新田村大杉おおすぎ新田などの西に位置し、西は当村より分れたという風野かざの村など。古永野ながの川と赤津あかづ川が形成した扇状地の扇端に立地し、村の東部で赤津川・あら川が巴波うずま川に合流する。史料上は筥森・箱森などとも記され、中世皆河みながわ庄のうちであった。同庄に城を築いたという皆川宗員の弟時村は筥室姓を冠していることから(長沼系図)、当地と関連するものと思われる。「下野国誌」所収の長沼系図には皆川庄筥ノ森郷とある。同氏の祖長沼氏一族の光隆・光寛兄弟は一時蘆名氏の被官であったが、天文一一年(一五四二)旧領の筥ノ森に帰り、同地の「明戸」に潜んだという(下野国誌)

慶長一四年(一六〇九)まで皆川広照領(延享元年「皆川歴代記」皆川又太郎文書)。元和元年(一六一五)榎本藩領、寛永一七年(一六四〇)幕府領(近龍寺文書など)。慶安郷帳では田八七七石余・畑四一四石余で武蔵岩槻藩領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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