米府年表(読み)べいふねんぴよう

日本歴史地名大系 「米府年表」の解説

米府年表
べいふねんぴよう

四巻 戸田信一著

原本 鶴久次郎文書(久留米市文化財収蔵館蔵)

写本 久留米市民図書館

解説 久留米藩の歴史を初代有馬豊氏から一一代有馬頼咸まで藩主の治世ごとにまとめたもの。久留米藩士戸田信一は藩校明善堂出役や側目付(蔵米八〇石)、公事方調役などを歴任したが、学問を好み漢詩・和歌・典礼故事に通じていた。「御系譜」「御法令集」や「記録」など藩が所有する各種の資料をもとに、豊氏代の例をあげれば「緒方氏蔵書」「大庄屋家記」など民間が所有する史料も引用して紹介している。ただしそれぞれの事柄すべてに出典を明記しているわけではなく、江戸初期など史料が少ない時代に関しては「或言」とか「或書に云」と出典を明記せずに異説を紹介している。主要な法令は全文を紹介するとともに時々の記録を引用した年表で、資料的価値が高い。内容も単に藩政上の重要事項だけではなく、領内の自然災害や火災、物価変動、農村の動きなど現在みることができない史料を多く含んでおり、久留米藩研究に欠かせない文献

活字本久留米市誌」下巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android