米泉遺跡(読み)よないずみいせき

日本歴史地名大系 「米泉遺跡」の解説

米泉遺跡
よないずみいせき

[現在地名]金沢市米泉町二丁目

伏見ふしみ川左岸、高橋たかはし川との合流点に近い沖積地に立地する縄文時代後期・晩期の集落遺跡。昭和六二年(一九八七)に都市計画道路の建設が要因となり発掘調査され、竪穴住居跡七・石囲炉一九・環状木柱列一・旧河道一および土坑・配石遺構・方形プラン柱列などを検出した。環状木柱列は、小振りながら半截したクリ材を使用しており、金沢市新保本町しんぽほんまちチカモリ遺跡能都のと真脇まわき遺跡のものと近似している。出土遺物には多量の土器(加曾利B1―中屋式)のほかに石斧・石鏃・石槍などの石器類、御物石器・玉類・石棒・石冠などの石製品類、土偶・滑車形耳飾・円盤形などの土製品類、弓・柱根などの木器があり、とくに櫛・腕輪・玉・漆塗土器・籃胎漆器などの漆製品は注目され、とりわけ漆精製用のアンギン様編布二点の出土は貴重。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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