粉灰(読み)コハイ

デジタル大辞泉 「粉灰」の意味・読み・例文・類語

こ‐はい〔‐はひ〕【粉灰】

粉や灰のように粉々に砕け散ること。こなみじん。こっぱい。
二人舎利魂魄たましいも―にされて消し飛ばさるるは」〈露伴五重塔
徹底的に手ひどく扱うこと。さんざん。
「―ニ人ヲシカル」〈日葡

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精選版 日本国語大辞典 「粉灰」の意味・読み・例文・類語

こっ‐ぱい‥ぱひ【粉灰・骨灰】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. こまかくうちくだくこと。こまかくくだけること。また、そのさま。こなみじん。
    1. [初出の実例]「かの張子の面向不背の玉をこっぱひのたまに蹈み砕けば」(出典:黄表紙・面向不背御年玉(1787))
  3. さんざんな目にあうこと。ひどく言いたしなめられること。また、そのさま。こつばい。
    1. [初出の実例]「こっぱいじゃ・白雨に逢ふた扇子店(みせ)」(出典:雑俳・名付親(1814))
  4. 骨折りなこと。大変なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「得心させるのがこっぱい仕事だ」(出典:歌舞伎・金看板侠客本店(1883)二幕)

こ‐はい‥はひ【粉灰】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「に」を伴って副詞的にも用いる )
  2. 塵と灰。転じて、きわめて微細であること。こなごなであること。こなみじん。また、そのようにすること。
    1. [初出の実例]「時に、虚空より、盤石雨のごとくにふりくだり、修羅の大敵をこはひにうちくだき」(出典:曾我物語(南北朝頃)一一)
  3. ( 細かになるまで徹底する意で ) 徹底的に手ひどくするさま。めちゃくちゃ。さんざん。
    1. [初出の実例]「Cofaini(コハイニ) ヒトヲ シカル」(出典:日葡辞書(1603‐04))

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