粋人(読み)スイジン

デジタル大辞泉 「粋人」の意味・読み・例文・類語

すい‐じん【粋人】

風流を好む人。優雅な、趣味の豊かな人。
遊里花柳界などの事情によく通じている人。転じて、経験を積んで世間人情裏表をよく知っている、さばけた人。通人
[類語]風流人茶人訳知り通人

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「粋人」の意味・読み・例文・類語

すい‐じん【粋人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 風流風雅を好む人。
  3. 世態・人情の表裏によく通じ、物わかりのよい人。特に、遊里・花柳界の事情によく通じ、言動や姿があかぬけている人。いきな人。通人。粋(すい)の皮(かわ)
    1. [初出の実例]「すい人佳客の心にとどまるといふにしはあらず」(出典:随筆・独寝(1724頃)序)
    2. 「酸も甘も甞め尽したる粋人と云はれんことを希ひ」(出典:偽悪醜日本人(1891)〈三宅雪嶺〉偽)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の粋人の言及

【通】より

…それが定着するのは安永(1772‐81)末から天明期(1781‐89)に入ってのことであろう。〈通り者〉には〈気の通った人〉(粋人)の意と〈顔(名前)の通った人〉(顔役)という二義があり,宝暦(1751‐64)ころは後者の意味が強かった。そこから〈大通(だいつう)〉の語も生じ,明和・安永と盛んに〈大通〉賛美が行われたのち,反省期を迎え,天明期に入って〈大通〉のイメージの中にあった豪気さ,放胆さが消え,多分に常識的,小市民的な〈通〉の理念が生じた。…

※「粋人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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