精神保健福祉士(読み)セイシンホケンフクシシ

デジタル大辞泉 「精神保健福祉士」の意味・読み・例文・類語

せいしんほけん‐ふくしし【精神保健福祉士】

平成9年(1997)成立の精神保健福祉士法によって定められた国家資格精神科病院などの医療機関精神障害者社会復帰を支援する施設において、社会復帰に関する相談に応じたり、日常生活に適応するための訓練援助を行う。精神保健福祉士国家試験に合格し、登録した者のみが称することができる。精神科ソーシャルワーカー。PSW(psychiatric social worker)。
[補説]平成18年(2006)に障害者自立支援法が施行され、また司法・教育機関など配置機関が増加したことで、認知度が上昇し、需要が高まっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「精神保健福祉士」の意味・わかりやすい解説

精神保健福祉士
せいしんほけんふくしし

これまで精神科ソーシャルワーカー(Psychiatric Social Worker、PSW)は国家資格をもたなかったが、これを「精神保健福祉士」として資格化するための精神保健福祉士法が1997年(平成9)12月成立した。1998年4月施行。これは厚生省公衆衛生審議会(現厚生労働省厚生科学審議会)が、PSWを専門職と認定する必要があるとしたためである。PSWは全国に5000人ほどいるが、その多くは精神障害者のリハビリテーションにかかわっている。この法律では、国家試験の受験資格を得るためには四年制大学で所定科目を履修するほかにも、多様なルートが示されている。現にPSWとして業務を行っているものに対する移行措置も考慮されており、1998年9月より現任者講習会が行われている。国家試験委員も発令され、1999年1月に第1回の国家試験が実施された。その第1回から第3回まではかなりのベテランたちが受験したということもあって、受験者数も多くまた合格率も高かったが、第5回ころからはほぼ安定している。第8回から2008年に行われた第10回までをみると、毎年の国家試験合格者は4450人から4470人で、この3年間の合格率は60.4%から61.3%とほぼ一定である。これまでの合格者総数はほぼ4万人である。社団法人精神保健福祉士協会によれば、2008年5月現在、登録している精神保健福祉士は3万8750人である。

[吉川武彦]

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知恵蔵 「精神保健福祉士」の解説

精神保健福祉士

社会福祉士」のページをご覧ください。


精神保健福祉士

精神保健福祉士法(1998年)に基づき、精神障害者の保健や福祉に関する専門的知識と技術を持ち、社会復帰への相談援助を行う者として位置付けられた国家資格。

(田中信市 東京国際大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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