精神状態(読み)せいしんじょうたい

精選版 日本国語大辞典 「精神状態」の意味・読み・例文・類語

せいしん‐じょうたい ‥ジャウタイ【精神状態】

〘名〙 精神のありよう。意識感情などのゆれうごく様子
※雁(1911‐13)〈森鴎外二一笑止にも愛する女の精神状態(セイシンジャウタイ)を錯(あやま)り認めてゐるのである」

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デジタル大辞泉 「精神状態」の意味・読み・例文・類語

せいしん‐じょうたい〔‐ジヤウタイ〕【精神状態】

精神のありさま。感情・気分の安定性明暗などのぐあい。「精神状態がよくない」

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内科学 第10版 「精神状態」の解説

精神状態(神経疾患患者のみかた)

(2)精神状態
 神経学的所見としてはまず,意識と知能の状態を評価する.患者が覚醒していて,問診でも会話内容に問題がなく,近時記憶,遠隔記憶が保たれていれば,通常は精神状態に大きな問題はないと判断できる. 意識の覚醒度,清明度が低下している場合には,かつては傾眠混迷半昏睡昏睡などの用語によってその程度を表現した.現在は国際的にも汎用されているGlasgow Coma Scaleを用いるのがよい.わが国で開発された3-3-9度方式による記載法も用いられる.
 認知機能の評価には,mini-mental status examination(MMSE)を用いるのが世界標準であり,一般内科医もMMSEには習熟していることが望ましい.わが国では改訂長谷川式簡易認知評価スケールもよく用いられている.スケールの内容は,時間,場所,人に対する見当識,記憶(即時再生,近時記憶,遠隔記憶をそれぞれ評価する),計算力(100から7ずつ順に引いていく),判断力,抽象的な思考力(諺の意味を問うなど),一般的な知識(野菜の名前を列挙するなど),構成能力(図形を模写するなど),感情などを総合的に評価し,年齢を考慮した正常データと比較して認知機能障害の有無と程度を判定する.判断力の評価には,「隣の家の台所の窓から煙が出ているとしたら,どうするか?」など,具体的な状況を設定してどう対応するかを質問する.
 知能レベルのより詳細な評価には,Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised(WAIS-R)などの検査法が必要になる.[西澤正豊]
■文献
水澤英洋,宇川義一編著:神経診察:実際とその意義,中外医学社,東京,2011.水野義邦編:神経内科ハンドブック 鑑別診断と治療 第4版,医学書院,東京,2010.

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