糸鬢(読み)イトビン

デジタル大辞泉 「糸鬢」の意味・読み・例文・類語

いと‐びん【糸×鬢】

近世男性髪形の一。月代さかやきを広く左右に剃り下げ、鬢を細く糸のように残して、まげを頭の後方に低く結ったもの。また、それを結った人。中間ちゅうげん侠客などに好まれた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「糸鬢」の意味・読み・例文・類語

いと‐びん【糸鬢】

〘名〙 近世、男子の髪形の一種月代(さかやき)を左右後方まで広くそり下げ、鬢を額の方向に細く糸状に残して結うもの。また、それを結った人。元和、寛永一六一五‐四四)の頃から行なわれ、初めは中間や小者、のちにはいきな奴(やっこ)、侠客、役者などに好まれた。⇔あつびん
俳諧・伊勢正直集(1662)一「糸ひんにつくりたつるや柳がみ」
[補注]この髪型を好んだ者たちの階層属性などから、はみ出し者を象徴することもあったと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android