納税の猶予(読み)のうぜいのゆうよ

知恵蔵 「納税の猶予」の解説

納税の猶予

国税通則法は、次の理由で国税を一時に納付できない時は納税者の申請により、期間を定め、納税の猶予ができるとしている。(1)災害による相当の損失、(2)災害、病気、事業の廃止、これらに類する事実(詐欺、横領等による財産喪失・交通事故の損害賠償売掛金等の回収不能・破産宣告等・不渡り・市場の悪化等による売り上げの減少等)。また、国税徴収法は次の事由の場合、滞納処分による財産の換価(差し押さえた財産を金銭に換えること)を猶予している。(1)換価手続を直ちにとれば、その事業継続または生活維持を困難にする恐れがある。(2)換価を猶予することが、直ちに換価することに比べ国税の徴収上有利の時。

(浦野広明 立正大学教授・税理士 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android