細り(読み)ホソリ

デジタル大辞泉 「細り」の意味・読み・例文・類語

ほそり【細り】

細り節」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「細り」の意味・わかりやすい解説

細り (ほそり)

近世初期流行歌謡。三味線伴奏の流行歌曲中,その詞章を明らかにしうる最古典としては,〈弄斎節〉〈片撥(かたばち)〉などと,この〈ほそり〉とがある。寛永(1624-44)ころから流行。〈声の細り〉が特色であるため,この名がつけられたとも,西国巡礼歌から出たものともいわれる。〈ノウサテ〉という間投辞がある点が特色。〈ほそりのヤレ出所は大和の壺坂この節を直すにゃノウサテ……〉という詞章のものなどが代表的なものとされるが,この詞章は,山梨県民謡《道志ほそり》として遺存する。〈忍ぶ細道に松と胡桃……〉の歌が本歌であろうともされるが,この詞章は,三味線組歌奥組の《細り》(組歌中唯一の三下り曲)の第1歌にとり入れられ,また,柳川流破手組の《下総(しもうさ)細り》の第7歌(野川流《紅(くれない)》の第5歌)でもある。なお,《下総細り》の第5・6歌(《紅》の第3・4歌)は,前述《道志ほそり》としても行われている。ほかに,〈関東ほそり〉と題するものもある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android