細井御厨(読み)ほそいのみくりや

日本歴史地名大系 「細井御厨」の解説

細井御厨
ほそいのみくりや

桃木もものき(旧利根川)氾濫原に位置し、前橋市北部の上・下細井町一帯に比定される。鎌倉初期の文書である某書状断簡写(神宮文庫蔵仁治御仮殿遷宮裏書)に「外宮料上野国細井御厨」とみえる。「神鳳鈔」に細井御厨の名がみえ、「内宮七十町六段卅五歩」の注記がある。内宮料所として、平安末期には成立していたのであろう(臨時に外宮料を負担することもある)。南北朝内乱期には、現地支配をめぐり紛争が起こっている。貞和三年(一三四七)一二月八日の重禧請文写(氏経卿引付)は「細井御厨検注事」を承服しているが、なかなか実行されなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報