日本大百科全書(ニッポニカ) 「細川嘉六」の意味・わかりやすい解説
細川嘉六
ほそかわかろく
(1888―1962)
社会評論家。富山県生まれ。東京帝国大学を経て大原社会問題研究所に入り、米騒動、植民地問題研究に労作を残した。1942年(昭和17)の雑誌『改造』論文「世界史の動向と日本」が陸軍報道部から共産主義の宣伝として弾圧され、横浜事件の発端となる。第二次世界大戦後1947、1950年(昭和22、25)の参院選に共産党から出馬し当選。アメリカ帝国主義批判演説をして、1951年マッカーサーの圧力により辞任を余儀なくされた。好んで河童(かっぱ)の絵をかき「カッパ老人」と称された。
[荒川章二]
『『細川嘉六著作集』全3巻(1972~1973・理論社)』