紺口郷(読み)こんくごう

日本歴史地名大系 「紺口郷」の解説

紺口郷
こんくごう

和名抄」にみえるが、諸本ともに訓はない。古訓は「こむく」であろう。「日本書紀仁徳天皇一四年条に「大溝を感玖こむくに掘る。乃ち石河の水を引きて上鈴鹿・下鈴鹿・上豊浦・下豊浦の四処の郊原を潤し、以て墾りて四万余頃の田を得たり」とある。また「住吉大社神代記」にも、仁徳天皇が住吉大神に詔宣して、「大島守を以て紺口の溝を掘らしめ」たという。書紀の感玖の大溝と神代記の紺口の溝は同じものをさすのであろうが、現在紺口郷に比定されるのは佐備さび川の上流竜泉りゆうせん甘南備かんなび(現富田林市)東条とうじよう川の上流の現千早赤阪ちはやあかさか村の地であるので、感玖(紺口)から石川の水を引くことは困難である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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