経る(読み)ヘル

デジタル大辞泉 「経る」の意味・読み・例文・類語

へる【経る/歴る】

[動ハ下一][文]ふ[ハ下二]
時日が過ぎる。時がたつ。「20年の歳月工事が完成した」
その場所を通る。通過する。経由する。「アメリカヨーロッパへ行く」
ある定まった過程・道筋を通る。「委員会審議へる」「多くの困難をて成功した」
[類語](1過ぎる経つ移る過ぎ去る過ぎ行くけみする経過/(2通る通過する経由する通り過ぎる過ぎるよぎる横切る通り抜ける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「経る」の意味・読み・例文・類語

へる【経・歴】

  1. 〘 自動詞 ハ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. 時が来てまた、去っていく。時間が過ぎていく。経過する。
    1. [初出の実例]「高光る 日の御子 やすみしし 我が大君 あらたまの 年が来布礼(フレ)ば あらたまの 月は来閇(へ)往く」(出典古事記(712)中・歌謡)
  3. 日月を送る。歳月を送る。時を過ごす。
    1. [初出の実例]「貧しくへても、猶昔よかりし時の心ながら、世の常のことも知らず」(出典:伊勢物語(10C前)一六)
  4. ある段階を通る。ある地位や段階を経験する。→へあがるへのぼる
    1. [初出の実例]「同二年に太政大臣に上る。左右を経(へ)ずしてこの位に至る事」(出典:源平盛衰記(14C前)一)
  5. そこを通って他の所へ行く。通り過ぎる。通過する。
    1. [初出の実例]「くろさきのまつばらをへてゆく」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月一日)
  6. 所定手続をふむ。他の人の認可などを求めてその過程を通る。
    1. [初出の実例]「奏聞をへられけるに」(出典:延慶本平家(1309‐10)四)

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