結合モーメント(読み)ケツゴウモーメント

化学辞典 第2版 「結合モーメント」の解説

結合モーメント
ケツゴウモーメント
bond moment

2原子間の結合がもつ永久双極子モーメント分子全体としての双極子モーメントが,その分子を構成する各原子間の結合モーメントのベクトル和になるように経験的に定める.数例を示すと(単位デバイ単位,D),H-C0.4,C-O0.74,C-Cl1.08,H-O1.51,C=O2.3.結合の左の原子が正,右の原子が負である.結合モーメントの大きさは結合にあずかる2原子の電気陰性度の差によって決まる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の結合モーメントの言及

【極性】より

…水,アルコールはその代表例であり,ほかにクロロホルム,アセトン,クロロベンゼン,トルエンなどが極性溶媒(または極性溶剤)としてよく使われる。種々の分子の双極子モーメントの測定から,その値を分子中の各化学結合に割り振ることができ,その値を結合モーメントといい,それが0でない結合が極性結合である。分子の対称性がよくて,結合モーメントをベクトル的に合成したとき打ち消し合うことがあるので,極性結合のある分子がすべて極性分子であるとは限らない。…

※「結合モーメント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」