結晶面(読み)ケッショウメン

デジタル大辞泉 「結晶面」の意味・読み・例文・類語

けっしょう‐めん〔ケツシヤウ‐〕【結晶面】

結晶表面をなす平面

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精選版 日本国語大辞典 「結晶面」の意味・読み・例文・類語

けっしょう‐めん ケッシャウ‥【結晶面】

〘名〙 結晶の外形を構成する面。結晶の成長によって、一定の形をとる。その角度結晶軸に対応した面指数で表わされる。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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化学辞典 第2版 「結晶面」の解説

結晶面
ケッショウメン
crystal face

結晶の外形をなす面.結晶軸を決めればミラー指数によって指定することができる.結晶の格子構造を考えると,格子網面に平行である.X線回折によって結晶の内部構造が知られる以前に,結晶の外形に関する研究から結晶面については,面角一定の法則,有理指数の法則などが経験的に得られていた.これらの法則は未知の結晶の結晶系,結晶軸や結晶面の面指数の決定など,結晶学に重要な役割を果たしていた.しかし,X線回折によって結晶の内部構造が直接的に知られるようになって,これらの法則は格子構造から簡単に説明され,また晶癖晶相の違いで面の同定が困難な場合にも容易に面指数を決められるようになった.結晶面を微視的にみれば,結晶成長の条件によって必ずしも平たんではなく,微斜面や振動面,ときには曲面を示すこともある.また,内部構造を暗示する条線を示すこともあって,その性質は複雑である.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「結晶面」の意味・わかりやすい解説

結晶面
けっしょうめん
crystal face

結晶の外形をつくる平滑な面。理想的に成長した結晶では一定の種類の結晶面が現れる。結晶面の間には面角安定の法則が成り立ち,面角を測定することにより結晶をつくる物質の同定ができる。結晶面は簡単なミラー指数で表わされ,有理指数の法則が成り立つ。結晶の中では原子空間格子に沿って配列しているが,原子が比較的密に並んだ面が結晶面として表面に現れる。

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世界大百科事典(旧版)内の結晶面の言及

【結晶】より

…そのために,水晶は氷(ギリシア語でkrystallos)と同じとみられ,これがcrystal(水晶,結晶)の語源である。
[面角一定の法則]
 前述の水晶の結晶が六角柱の形をとるように,結晶は,平面で囲まれた形をとることができるのがその特徴であって,これらの平面のおのおのを結晶面という。同じ種類の結晶面でも,結晶ができたときの環境次第で,互いに異なった大きさになることがある。…

※「結晶面」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」