結核の集団感染

六訂版 家庭医学大全科 「結核の集団感染」の解説

結核の集団感染
(呼吸器の病気)

 集団感染とは感染者が2家族以上にまたがり、20人以上になった場合をいいます。日本では国をあげての結核対策が効果をあげ、若年者の結核発病者が激減した結果、結核に抵抗力のない若者が結核発病者に接触して簡単に感染・発病してしまう例が増えています。

 とくに、若年の看護師が、感染したのを知らずに業務を続けた結果、医療施設が集団感染の場になるという事例も報告されています。これらの根底には、国民も医療従事者も結核は過去の病気で「もうひと安心」という認識が広まり、警戒不足になっていることがあります。大学の医学部や看護学部の学生教育でも、結核の講義時間が少ないというのも現状です。

 厚生労働省は1999年に「結核緊急事態宣言」を出し、警鐘を鳴らしています。幸いなことに2000年からは、新しい登録患者数は再び減り始めていますが、2007年は25311人もの新規登録患者数があり、依然として日本は結核中蔓延国です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android